明石美優さん(101回生)
聖心女子大学心理学科4年在学中
2019年6月18日
6月22日(土)に開催される第1回みこころネットワーク交流会の最年少パネラーは現役聖心女子大生の明石美優さん。高校時代には高校模擬国連国際大会に選抜されNYに派遣された明石さんが、若い世代を代表して登場します。明石さんの高祖母様は、なんとみこころ会1回生!彼女は親族で聖心5代目となるそうです。みこころ会の長い歴史とこれからの未来を感じます。
明石美優 みこころ会101回生
聖心女子大学心理学科4年在学中
中等科3年時より模擬国連の練習会議に参加、高等科2年で第8回全日本高校模擬国連大会に出場、第9期派遣団に選出され、NYの国際大会に参加。
卒業後もグローバル・クラスルーム日本委員会※の広報局長として模擬国連活動を日本の高校生に広く普及し発展させる活動に携わる。
※グローバル・クラスルーム日本委員会
国際理解のための学習方法として模擬国連活動を日本の高校生に広く普及し発展させる目的で設立。日本代表団派遣支援に加え全日本高校模擬国連大会を毎年開催し、日本における高校模擬国連の中心的組織
三光町時代に経験した模擬国連への参加が、進学や将来のヴィジョンへ大きく影響しているかもしれません
―― 高校時代には模擬国連で非常に優秀な成績をのこされていましたが、大学ではどのような生活を送られたのですか?
明石(以下敬称略) 模擬国連経験者は英文科か国際交流学科に行く人が多くて、おそらく三光町の先生方や私自身ですらもそういう道を想定していたのですが、心理学科に進みました。NYで参加した高校模擬国連国際大会での担当会議がWHOでテーマは「感染症予防」だったのが進路を考えるときに影響しました。会議の中で解決しなければいけないトピックの一つに、途上国における死別経験後の子供のケアが含まれていたんです。私はシリアの代表という立場でそれについて議論する役割だったのですが、その準備中には時間が足りず、また政策に詳しく症状やケア方法を盛り込まなかったため、名称だけ知ったかぶりをして使うような形となってしまいました。それで自分は何も知らないなと思いました。政治経済分野は外交官たちの国際会議が現場ですが、保険医療分野については人々の生活こそが現場であると気づき、例えば心に傷を負った子供たちの心のケアができるようなことを学びたいと思ったんです。最初は臨床心理を学ぼうと思っていたのですが、勉強を始めると色々欲が出て今は発達心理について学んでいます。
―― 聖心女子大に進学した理由は?
明石 高2の夏くらいまでは受験をしようか、自分は理系かもとか、いろいろ悩んで塾にも通っていました。理系でないことはすぐに気付いたのですが(笑)。心理学に興味を持った時点で学べる大学の選択肢はたくさんあり、偏差値でいうと聖心よりいい大学のオープンキャンパスにも行きました。大学によって強い分野がそれぞれあることも知り、また学内の雰囲気が各大学で随分と違うこともわかりました。私は300人くらいの大教室で先生の講義を聞くよりも、1対20とかでの指導の方がいいなと思ったのと、学びたい臨床心理学や発達心理学の先生が多いのが聖心でした。それならなんでわざわざ受験するんだろう?ということに気がつき聖心女子大へ進学しました。
―― それでも高校と大学ではかなり違うこともあったのでは
明石 三光町の校則は厳しめでしたよね。でも私、結構“いい子”だったので(笑)学校大好きで楽しんでいました。大学に行ってあらためて発見したことは、三光町出身者は自分の意見を言うのに臆さないタイプが多いということです。言いたいことは言うし、違うと思ったら違うと言っちゃう。もちろん個人差はあると思いますが、例えばインカレサークルでもやることを自分でしっかりやるのが聖心の子。さらに言うなら大学内でも語学のクラスやゼミで三光町以外からの進学者の友達ができましたが、チャキチャキ進めるのは三光町出身者が多い。聖心祭で代表者の集まりに行くと三光町出身者が多くて、高校時代にリーダーをやるようなタイプではなかった人も、リーダーになっていることが多いなと感じます。
初等科から大学までの「聖心生活」から初めて外の社会に出る今、これからのライフデザイニングへの期待
―― 現在就活中とのことですが、将来はどのような仕事をしたいと思っていますか?
明石 まずは企業に勤めたいと思っています。私が専攻した心理学科では一度OLになってからもう一度大学院に進学をし、最終的に心理職を目指す人も多いです。ずっと聖心という幸せな環境の中で育ってきたので「平和ボケしていないだろうか、社会に入って外を見てみなければ」という思いもあるので。あと、東京で英語を使って働きたいというのもあります。日本を出るという強い思いはないのですが外国の会社も視野に入れて就活をしています。
―― 聖心の就職状況の今の傾向は?
明石 他の大学と比べると、東京で働きたい人が多いように思います。東京には居たいけれど能力を生かしてやりがいのある仕事をしたいという意識が高い人が多く、同じような職種や会社に集まる傾向はあります。ですからエリア総合職に就く人が多いですね。全国転勤はしないけれど、男性と対等に責任ある仕事をしたいという思いで職を選ぶ人が多いように感じます。他には総合商社や客室乗務員は英語力を活かせるからかも知れませんが人気でした。また毎年必ず入るのは法律事務所の秘書とか、政府系の金融機関の一般職で、周りにはすごく多いです。
ただ、私は出来れば営業以外の仕事を希望しているんです。もちろん営業は立派なやりがいのある仕事だと思いますが、OGや社員訪問で伺う「営業の達成感」というのを聞いていて私は少しちがうかな?と感じてしまって。「自分が頑張ったから会社がこんなに利益を出した!」「競って勝ち取った!」的なものに達成感を感じるタイプじゃないんです。
―― かつての女子の就活動機には「将来の旦那様」を見つけるのにいいところをと考えて選ぶ人がいたが、そうじゃなくて自分のキャリアのために選ぶ人が多いのですね
明石 もちろん結婚したい人は多いですから、そう考えている人もいると思う(笑)。でも結婚して2年でやめようとかそういうのはなくて、自分でやりたいことをやろうというのは基本です。親世代は寿退社が普通の時代でしたが、今はそんな人はまずいない。むしろどこの会社でも出産などの制度はあるが、OG訪問して、実際に制度が使えるのかと情報収集をします。結婚して出産しても働きやすい会社というのは会社選びの重要な部分です。ましてや就職や進学をしない、家事手伝いという人の話は三光町の友人では滅多に聞きません。
今まで意識していなかった同窓会パワーをもっと充実できればいい
―― まだ卒業したばかりの若い世代として「みこころ会」のイメージは?
明石 卒業したらみんな入るもの。何がどうなっているのか分からない。いつかは係が回ってくるらしい、というような…(苦笑)。たまに連絡いただいた催しも「行っても知っている人いないだろうな」と思い躊躇しています。けれども就活の時に大学のキャリアセンターを経由して面識のないOGを紹介して頂いたり、個人的なツテをたどって三光町の先輩で外部大学に進まれた方や、同級生のお姉さまなどのつながりでお話を伺えたのはありがたかったです。昨年、模擬国連のOBOGがネット上にパスワードをかけた名簿を作りました。メールアドレスも載っているので連絡を取って話を聞くことができるようになり、みこころ会にもそういうネットワークがもしあればとても嬉しい。
インタビュー 小松宏子(63回)
記事協力 田中彩子(87回)
編集 永木素女(66回)